eDAQ Japan

溶存酸素 (DO)

e-corder Chart ソフトウェアを使った溶存酸素 (dO2) 濃度の測定を紹介します。

電気化学的方法

この測定方法は電解液を封入した電極(円筒状の陽極と陰極とで構成されている)を使用します。電極の先端は樹脂(通常はテフロンかポリエチレン)フィルムで覆われていて、フィルムの内側へ透過拡散する酸素分子を測定します。

ガルバニック酸素電極はプラチナを陰極に鉛を陽極として使用します。酸素は陽極側で自然減少し、陰極の鉛はゆっくりと鉛酸化物に変化します。 陽極から陰極を通過する電流量は溶液の酸素量に比例しします。これが酸素電極の原理です:

この電極は短絡抵抗を内蔵しているので流れる電流量は電圧信号に変換され、e-corder で記録することができます。 この種の電極は学生自習向けには便利ですが、精度を要求する研究分野にはお勧めできません。

Clark' (またはポラログラフやアンペロメトリ) 法は-0.7Vから-0.8Vの極性電圧を持つ陰極を使用しますが、酸素の減少が伴います(例えば、水酸化物に変換)。陽極は通常、銀を用います。陽極から陰極に流れる電流量は溶液中の酸素含有量に比例します。電極を極性電圧で印加し流れる電流を測定します。dO2 isoPod や dO2 USB isoPod など様な、電流を記録し較正が可能な信号に変換できる計測器が必要です。計測器によっては極性電圧の調整ができるものもあります。Clark電極は研究分野を中心に様々な酸素濃度の測定に利用されています。dO2 isoPod 専用の酸素電極も発売しています。この酸素電極は生体標本の酸素濃度の測定に適しています。

はポーラログラフィック電極の測定器として使用できます。この装置は電気アイソレート式なので、pH電極や温度センサーと共用しても干渉を受けません。

eDAQ が提供する Clark-タイプのポーラログラフィック電極: 

その他の Clarkタイプ電極と装置:

上記メーカの装置にアナログ出力が付いてれば e-corder で記録ができます。

Clark 型とガルバニック酸素電極は共に測定中に酸素を消費するという欠点があります。使用する電極は、モニタリングする反応よりもかなり遅いレートで酸素を消費するタイプが相応しい電極です。実際上これが重大な問題にはなりませんが、密封された少量の溶液中でセルまたはミトコンドリアの呼吸系実験を行う場合などは、できるだけ小さい電極の方が適しています。電極の活性表面積が小さい程、酸素消費は少なくなります。

Clark型とガルバニック酸素電極の測定では、サンプル溶液から電極への酸素の拡散に影響されますので反応時間は遅くなります。通常速くて数秒です。従ってデータ のサンプリング速度は遅くても(4/秒またはそれ以下)問題はありません。e-corderでは1Hzまでのローパスフィルターを使えば、ノイズのない信号が記録できます。測定中は一定速度で溶液を撹拌することも重要です。これにより拡散速度が一定に保たれます。

光ファイバーシステム

Oxyge酸素濃度は特殊な光ファイバーと装置でも測定できます。この装置はクラークタイプやガルバニック電極に比べかなり高価ですが、酸素の消費が無く電気的にもアイソレートされています。 


免責事項: 本ページの紹介した市販メーカの製品は情報提供の目的で記載したもので、推奨や品質を保証するものではありません。

This page was last modified on: 12 Jul 2016 14:11:05